2人の機嫌が治ったところで、私は食事を始める。

早くしないと、休み時間が終わっちゃう。


「実はさぁ、昨日、川崎さんの看病してたとか?」

「で、川崎さんの家まで行っちゃってたりして!」

「……ゴホッ!」


何て、想像力が豊かなんだこのカップルは。

しかもこの暴走した妄想が当たってしまっている。


「えっ、何?図星?」

「ウッソ。若菜、家まで行っちゃったの?」

「……ははっ。」


笑ってごまかせる……わけない。


「すげぇ、若菜ちゃん。俺の協力なんか、いらないじゃん。」

「ちょっと待って、アンタ、ホントに若菜?どういう流れでそうなるわけ?」

「いや、何か、辛そうだったから。1人で帰らせるの心配で、送って行っただけだよ。」

「若菜……、成長したねぇ。で、電話番号置いてきたの?」

「うん、まぁ。そんなとこ。」


大事なところは、ほとんど端折ってるけど。

あれは、2人だけの秘密ってことで。


「若菜、何ニヤけてんの?」

「……いや、別に。」