「今日って、レコーディングだったんですね。

お仕事、お疲れさまでした。」



ペコッとお辞儀をする姿を見て、「あ…ども」と、あまり大人っぽくない返事を返してしまう俺…カッコ悪!




「いつ発売なんですか?」

「ん~とね…」


「やっぱり、やり直しとかあったんですか?」

「あったよ。もう1人のメンバーの栄四郎がさぁ…」



などと、ゆるい会話をゆるくゆるく時間を使って話していた。


ほとんどは真那ちゃんからの質問に答えていただけだったが…。





…もしかして、気を使って話しかけているのか?



2人がいた時は、ほとんど受け身で返事程度だったのに…。



そう思うと、途端に恥ずかしくなった。


大人として、俺からも質問してみるか。



「真那ちゃんはさ…」

「あ…」


「…」

「…」

「ん?」

「あ…いぇ。」



いやいや、何か言いたそうだったぞ?


「何?どした?」


「いや…名前、」

「名前?」

「はい…百合子さんも進也さんも『真那』って呼び捨てで呼んでるんで。

…上杉さんも呼び捨てで呼んでもらって…いいですか?」