「…イヤ、大丈夫です。」
なんじゃそりゃ!
愛の告白の返事が「大丈夫」って!
「…もう大丈夫なんで…すみませんでした。」
やっぱり俺の腕から抜け出そうとしている。
「だから、違うって!」
「な…何がですか?」
「好きだって言ってんの!俺と付き合えって!」
「…えぇ?!」
…なんだ?コイツ。
「…何言ってるんですか?」
「…イヤか?」
「イヤです。」
「…。」
うそぉん…。あっさり?
「…てゆうか、何も知らないです、上杉さんの事。」
「…これから知ってよ。」
「私の事…何も知らないじゃないですか。」
「…知ってる。聞いた。」
ハッとしたように、顔をあげて俺を見る。
「…誰に?」
「進也。」
唇をグッと噛んで、今度は下を見る。
「こっちむけよ。」
「…かわいそうな女…とか、思ってるんですか?」
「は?」
「…同情とか、やめて下さい…。」
「同情じゃねぇよ。」
…なんだよ、どいつもこいつも。
「真那、こっちむけって。」
「や…。」
真那の顎を持って、無理矢理顔を上げさせる。
