甘い夏  煙草の匂い




これで真那も社長ん家に戻り、実家(?)住まい。

朝、寝起きの真那を見て、夜は『おかえりなさい』ってかぁ…。


「いいなぁ…。」

「何がだ?」

「別に…。」


ふてくされて、おかわりのジンライムを頼む。



「隣に住んでた変態野郎は、複数の女に暴行していたらしい。」

「は?」

「数人から被害届けが出てたらしくてね、それで警察が乗り込んだんだとさ。ま、ほとんどが未遂みたいだが。」

「待って下さい。アイツの部屋には真那の写真が山程…」

「真那だけじゃなく、沢山の女の写真が出て来たってさ。パソコンの中にもウジャウジャ。」

「でもアイツ、女に不自由してるようには…」

「だから、変態なんだろ?」



なぁるほど。




ちきしょう。蹴り入れただけじゃ気が済まねぇな。死ぬまで刑務所に入ってろ!

出て来やがったら、髪ブチ抜いて、アソコもブチ抜いて…。



イライラしながら煙草を吸い始めると、社長が内ポケットから何かを取り出した。