「そういえば、真那、怪我したってぇ?」

「怪我?…あぁ、手首をビニール紐で縛られてたから、ちょっと擦れたような傷だよ。イボ爺に手当してもらった。」

「ウソぉ、どれぇ…?」


起こさないようにそっと寝室のドアを開け、真那の様子を見に行った百合子。




「…ちょっとぉ!」


百合子が怒った声を出したから、俺も進也も何かあったのかと思い、寝室に駆け寄る。


「ダメぇ!来ちゃダメぇ!」

「何だよ?何かあったんか?」

「何だよじゃないわよ!このエロガッパ!」

「…かっぱ?」



百合子は慌てて、真那にかかっていたタオルケットを直していた。


…あ!やべ!



「真那にこんな格好させて、どういうつもりよ!」

「違うって…誤解だ…」

「こんな格好って?」

「Tシャツ一枚よ!パンツ丸出しで寝てたわよ!」

「は?シャツ一枚?」

「だから、違うって!真那が小さいから…」

「小さいからって、シャツ一枚でいいわけないでしょ!この変態!」

「この変態!」




…うるせぇ!こいつら…!