「あ…ん…」

「は…」


いつの間にか、俺の息さえも乱れ、寝室は一気に二人だけの世界になった。

Tシャツの上から背中をなぞると、甘い声をあげながら体を反らす。


「上杉さ…待っ…」


息苦しかったのか、キスから逃れるように顔を背ける。

でも、そんなの許さない。

背けた顔を追いかけ、また唇を塞ぐ。


「ぅ…んっ…!」




何度キスをしても、飽きる事のない唇。

しばらくすると、舌の絡みに慣れてきたのか、自ら舌を動かしてくる真那。



…やべぇ、スゲェ興奮する…


もう無理。限界です…。

しかし、その前にやるべき事が…


さっきから気になっていた、開けっ放しの寝室のドア。

このドアを閉めてしまえば、楽器を使う為に防音装置を施したこの部屋は…完全な密室になる。



ゆっくりと唇を離すと、荒い息で真那の胸が上下する。


「…ちょっと待ってて。」


そう囁き、ドアへ向かう。

ドアノブに手をかけ振り向くと、細めた目でこちらを見ていた。


少し微笑みかけ、ゆっくりと…ドアを閉めた。




― バタン… ―