「おにぎりって、やっぱり人に作って貰った方がおいしいですよね?」
ずっと笑顔で食っていた真那が、2コ目を手にしてそう言った。
「ごめんな?具無しおにぎりで…」
「ん~ん、凄くおいしいです。」
「今まで、一番うまかったおにぎりって何?」
「ん~…やっぱり、お母さんのおにぎりかなぁ…」
「あっ!上杉さんのも凄くおいしいです!」と慌てて言い直した真那に、軽く噴き出してしまう。
真那とは、この何気ない時間が好きだ。
緩い会話をゆっくりと時間をかけてする…その中で、真那の好きな物や嫌いな物を少しずつ覚えて行く。
ずっと、この時間の中にいたい。
「…ごめんなさい。もうお腹いっぱいです…」
「いいよ。無理して食う事ない。」
2コ目を半分位食べたところで、ギブアップ。
「ホント、ごめんなさい…でも、すっごくおいしかったです。」
たかがおにぎりで、そう何度も「おいしい」と言われると、なんだかくすぐったい。
