「りゅーたー。宅呑みするよー。」



仕事で疲れた身体をソファに預けていた。


テーブルに置いていた携帯が鳴り、相手を確認もせず出ると、甘ったるい声が聞こえてきた。


百合子か…うるせぇ。



「気がむいたらなぁ。」


「なによぉ。レコーディングの打ち上げも兼ねて誘ってるのにぃ!

今日は新メンバーもいるのよん。」


「新メンバー?どこの?」


「いや、あたしの友達。あんたも知ってるコよ。」


「は?誰?」


「来てからのお楽しみ!じゃーねー。」



…そういって百合子は、一方的に電話を切りやがった。



…あー、どうしよ。マジめんどいけど…。

酒を呑みたい気分でもあるし、進也も来るだろうし…チョイ遅れてから行くか。


…そう思ったが、百合子とは同じマンション…。「遅いから迎えにきたぁ!」なんて事もありえる…。


しょーがねぇ、行くか…。




「おう、早ぇな。」

「おう、お疲れ。」

進也と軽く会話を交わして、百合子の部屋に入っていった。


百合子んちがキレイに掃除してある…家政婦が来たか。


「あ、真那ちゃん、龍太が来たよ。コップ追加してぇ。」


「マナチャン?」