「凛、凛子と喧嘩しちゃった」


愛美はその日から、2人のときは「凛」と呼ぶようになった。
少しだけ、私の心は救われた。
愛美が私に近づいたような気がした。


「そうなんだ…」

「うん。凛、凛子無視して」

「え…」

「できるよね」


まるで愛美は、私が凛子を嫌っているのを知っているかのように言った。
私は頷いた。凛子を無視する、と。
今までマトモに扱われなくて、そうやって相談されるのが嬉しかった。
凛子からの相談もきた。秘密は守った。
ただし、凛子からの愛美の悪口は、愛美に言った。
愛美に、言われたから。私は、最低だ。
この行動が、後に自分への攻撃の武器になるのに。


「高木死ね!まじありえねえ!!」

「裏切り者!」


愛美は凛子の悪口を散々言っていたのに、凛子と一緒になって私に悪口を言ってきた。
また、ハメられた。馬鹿な私。学習しない馬鹿な私。