「ところで、百瀬さん。他のメンバーは?」
昼休みも三十分過ぎたのに誰も現れる気配がない。
「今日の昼は私だけよ……それにしても、堅苦しいんだよねぇ~」
「何が?」
「呼び方。『御影』でいいよ、同じ学年なんだしさ」
彼女は、四分の一くらいの大きさになった焼きそばパンをひょいと口に放り込んだ。
「……でも」
初対面のしかも数十分前に出会ったばかりの子を、呼び捨てにするほど俺も人間が出来ているとは言えない。
いや……これは人間が出来ている、いないの問題なのか?
ともかくだっ!!
「そんな小さいこと気にすることないわよ。私も『恭介』って呼ぶから」
なっ……。
その時俺は完全にこの子に負けたと思ったのでした。
「さてと、まずはあなたの話から聞こうかしら」
「……と言われてもどこから話せばよいのか」
相変わらずウジウジとしたこの性格はなかなか直らないらしい。
「じゃ、私の質問に答えるだけでいいわ。まず告白したい相手は?」
――なんだか取り調べを受けているようだな。(受けたことないけど)
「三年A組の柿野愛美(かきのまなみ)っ人なんだけど」
――コトン……。
握っていたボールペンが彼女の手から離れて垂直に落下する。
「どうかしたのか?」
「恭介が変なこと言うから驚いちゃってさぁ~アハハ……」
アヤシイ。
これは何かあるな……絶対。
「正直に言えよ、御影」
暫くの沈黙──。
俺の視線に観念したのか、彼女は濁した言葉にこう繋げた。
「分かったわよ、どうせバレるんだからいいっか。柿野愛美は……」
昼休みも三十分過ぎたのに誰も現れる気配がない。
「今日の昼は私だけよ……それにしても、堅苦しいんだよねぇ~」
「何が?」
「呼び方。『御影』でいいよ、同じ学年なんだしさ」
彼女は、四分の一くらいの大きさになった焼きそばパンをひょいと口に放り込んだ。
「……でも」
初対面のしかも数十分前に出会ったばかりの子を、呼び捨てにするほど俺も人間が出来ているとは言えない。
いや……これは人間が出来ている、いないの問題なのか?
ともかくだっ!!
「そんな小さいこと気にすることないわよ。私も『恭介』って呼ぶから」
なっ……。
その時俺は完全にこの子に負けたと思ったのでした。
「さてと、まずはあなたの話から聞こうかしら」
「……と言われてもどこから話せばよいのか」
相変わらずウジウジとしたこの性格はなかなか直らないらしい。
「じゃ、私の質問に答えるだけでいいわ。まず告白したい相手は?」
――なんだか取り調べを受けているようだな。(受けたことないけど)
「三年A組の柿野愛美(かきのまなみ)っ人なんだけど」
――コトン……。
握っていたボールペンが彼女の手から離れて垂直に落下する。
「どうかしたのか?」
「恭介が変なこと言うから驚いちゃってさぁ~アハハ……」
アヤシイ。
これは何かあるな……絶対。
「正直に言えよ、御影」
暫くの沈黙──。
俺の視線に観念したのか、彼女は濁した言葉にこう繋げた。
「分かったわよ、どうせバレるんだからいいっか。柿野愛美は……」


