婚約指輪を君に~恋した相手は17歳の王子様!?



お互いライバル会社で働いてる以上、
あまり交際している事は言えないけれど。


それでも響汰とだったらどんな困難も乗り越えられるって


それこそ結婚だって


響汰となら・・


そう思っていた時だった



「あ、あのさ」


そう言いながらスーツのポケットに手を突っ込んだ響汰。


「何?どうしたの?」


首を傾げると


「これ。ここで出すなんてムードないかもしれないけれど」


コト

小さな音をたてて置かれたのは小さな黒い箱。


これってまさか・・


「俺と結婚してくれないか?」


少し照れたように言う響汰に思わず

「ぷっ」

笑いがこみあげてしまう。


「何で笑うんだよ、人がせっかくプロポーズしたのに」


ぷうっと頬を膨らませる響汰に


「あたしもね、同じ事考えてたの」

顔を覗き込んで言う。


「え?」

「あたしも響汰とならどんな困難も乗り越えられるって思ってるよ」


「それじゃあ」

「あたしでよければお願いします」