お互いライバル会社で働いてる以上、
あまり交際している事は言えないけれど。
それでも響汰とだったらどんな困難も乗り越えられるって
それこそ結婚だって
響汰となら・・
そう思っていた時だった
「あ、あのさ」
そう言いながらスーツのポケットに手を突っ込んだ響汰。
「何?どうしたの?」
首を傾げると
「これ。ここで出すなんてムードないかもしれないけれど」
コト
小さな音をたてて置かれたのは小さな黒い箱。
これってまさか・・
「俺と結婚してくれないか?」
少し照れたように言う響汰に思わず
「ぷっ」
笑いがこみあげてしまう。
「何で笑うんだよ、人がせっかくプロポーズしたのに」
ぷうっと頬を膨らませる響汰に
「あたしもね、同じ事考えてたの」
顔を覗き込んで言う。
「え?」
「あたしも響汰とならどんな困難も乗り越えられるって思ってるよ」
「それじゃあ」
「あたしでよければお願いします」


