「というわけなの」
「あははは、それでオーケーしたわけ?」
その日の夜。
何とか頑張って今日の分の仕事をこなし、
部長に何か言われる前に退社したあたし。
もうこれ以上やってやれるかとヤケになっていた時
「今日夕飯でもどう?」
ライバル会社で働く彼氏の響汰に誘われていつものバーに向かった。
何かあったって言うから説明したのに
何もそんな笑わなくたっていいじゃない!!
それに
「オーケーって出来るわけないじゃない!!
高校生だよ?ガキちょだよ?あたしよりも7つも下なんだよ?」
そんな高校生と結婚なんて
出来るわけないじゃない!!
「しかも結婚って言っても向こうはまだ17歳だし」
「じゃあ何て言って断ったの?」
「それは・・あたしには心に決めた人がいますって」
「言ったの?」
「うん、だって仕方ないじゃない」
だってあの時、それしか思い浮かばなかったんだもん。
ちらっと響汰の方を見ると。
あれ?お酒のせいかな?
「響汰、顔が・・」
「っさいな、ほっとけよ」
もしかして・・照れてる?
「やだ~きょうたってば顔真っ赤~!」
付き合ってもうすぐ3年経つのに。
こういう照れた響汰を見ても全く飽きもしない。
それどころかそんな彼を見て
愛おしい。
そう思える。


