車が進み始めてから数分経って。
今は何処に向かうのか、
首都高を走らせている。
何処に行くのかも知らなくちゃいけないけど。
その前にどうしても聞きたくて
窓の外を向いている慧につい聞いてしまった。
「さっきの子?」
全く興味のなさそうな顔をしてから
「あぁ、ユカの事?」
今思い出したかのような声を出した。
ユカちゃんって言うんだ・・
何でかちくんと
また胸が痛む。
「な、なんかお似合いだよね」
ユカちゃんふわふわして可愛いし。
「そう?別にもうどうでもいいよ」
どうでもいいって
「そんな言い方」
「だって俺には葵がいるから」
まっすぐあたしを見る瞳に
何処に視線をもっていけばいいのか
分からなくなってしまう。
「何、気になってたの?ずっと」
さっきよりもぐっと近くなった距離に
「べ、別に」
つい反対を向いてしまう。
なんかあたし
年下にいいように振り回されてない?
いやいや、決してそんなことはない!!
・・はず
「女なんてみんなそんなもんだよ」


