「ちょっと、何処に行くの?」
大通りまで走ってそこからタクシーに乗り込む。
「セントラルホテルまで」
セ、セントラルホテル!?
「ちょっと、ホテルってん!」
コイツはいつもあたしに最後まで言わせてくれないの?
いきなり落とされたキスで口がふさがって何も喋れない。
「葵を黙らせるにはキスが一番だな」
唇が離れると悪戯っぽい顔で笑ってあたしの頭をポンポンと撫でた。
・・・ってかあたし何してんのよ。
またコイツのペースにのせられてるじゃん!!
あたしは大人なのに
社会人なのに!!
「もう降ろしてよ!!何でホテルなの!!」
「黙って付いてくれば分かるって」
こんなガキなのに。
まだ17歳の子供なのに。
「何考えてるのよ!!!!」
由紀の怒り顔を思い浮かべると少し憂鬱な気分になった。


