婚約指輪を君に~恋した相手は17歳の王子様!?



「は、はい、了解しました!!」


そうだよね、あたしは社会人なんだもん。


大人なんだもん。

高校生の子供くらい何よ!!









「とは言ってみたものの・・」


今は下校ラッシュみたいで


一斉に学校から出てきてるから何処にいるのか分からない。

確かあの学ランはここで間違っていないはず。

この辺じゃ結構有名な進学校。

さすが社長の息子って感じだよね。

それにしても・・

なんか見られてない?あたし。

黒のスーツがまずった?

オバサンっぽかった?


「一体どこよ~」


せっかく午後一の仕事早めに終わらせてきたのに。


会えなかったら何にもなんないじゃない


でもこのままだったら響汰にも会えないままだし。


そんなのはイヤ、絶対にイヤ!!


「何処にいるのよ~~~龍崎慧~~!!」


口に手を当てて大声で叫んだ時だった。


「葵?」



あたしの声が届いたのかどうかは分からないけど
振り向いた先には少し驚いた顔をした息子の姿があった。


「なに?」


わざとらしい笑顔であたしに笑いかける。


本当はあたしがどうしてここに来たか分かってるんじゃないの?


「何で来たか、分かってるでしょ?」