「は、はい、了解しました!!」
そうだよね、あたしは社会人なんだもん。
大人なんだもん。
高校生の子供くらい何よ!!
「とは言ってみたものの・・」
今は下校ラッシュみたいで
一斉に学校から出てきてるから何処にいるのか分からない。
確かあの学ランはここで間違っていないはず。
この辺じゃ結構有名な進学校。
さすが社長の息子って感じだよね。
それにしても・・
なんか見られてない?あたし。
黒のスーツがまずった?
オバサンっぽかった?
「一体どこよ~」
せっかく午後一の仕事早めに終わらせてきたのに。
会えなかったら何にもなんないじゃない
でもこのままだったら響汰にも会えないままだし。
そんなのはイヤ、絶対にイヤ!!
「何処にいるのよ~~~龍崎慧~~!!」
口に手を当てて大声で叫んだ時だった。
「葵?」
あたしの声が届いたのかどうかは分からないけど
振り向いた先には少し驚いた顔をした息子の姿があった。
「なに?」
わざとらしい笑顔であたしに笑いかける。
本当はあたしがどうしてここに来たか分かってるんじゃないの?
「何で来たか、分かってるでしょ?」


