婚約指輪を君に~恋した相手は17歳の王子様!?




「ちょっと声大きいってば!!」



しーっと人さし指を立てる。


せっかく避難所としてトイレに来たのに。

これじゃあ意味ないじゃない!

「信じらんない!高校生に手を出すなんて」

「だって記憶がないんだもん!!」

「それはあんたが飲みすぎるからでしょ?」

「その通りでございます・・・」

「呆れた」

呆れたってそこまで言わなくてもいいじゃない・・


「しかもそのガキのキスが良かったなんて」

「よ、良くないよ!!ちっとも良くないもん」

「だって逃げなかったんでしょ?」

「それは・・」


逃げなかったというより逃げられなかったという方が正しいと・・


「まぁその子がその指輪をはめたなら、
河西さんの指輪もその子が持ってる可能性があるね」

「息子が?」

こくんと頷く由紀。

「た、確かに・・」

「返してもらいなさいよ」

「でも・・」

あたし一人で行く自信ないよ・・

「あんた大人でしょ?社会人でしょ?
午後の仕事終わったら学校に行って指輪、返してもらいな!」