「ちょっとうるさいよ、葵」


隣で本日のおススメメニューAの鶏ささみチーズフライ定食を
美味しそうに食べながらもあたしを睨みつける同期の由紀。


「だってさぁ~聞いてよ、もう絶対にあり得ない事なんだもん!!」


「あり得ないって、まぁ普通は少女漫画の世界だよねぇ」


「でしょ、でしょ??普通のOLのあたしがまさか」

「よ、未来の社長夫人!」


面白そうに言うなぁ~・・


「何よ」

「他人事だと思ってない?」

「うん、当たり前じゃない」

「もう!!由紀に話したあたしがバカだった!!!!」



ガタン!大きな音を立てて席を立つと周りの社員が一斉にあたしを見る。


見られても構わない。


見るなら見なさいよ!!!


気にしないんだから!!


「葵?」

「何よ」

「一つだけいい?」


鶏ささみチーズフライを一度お皿に置いて、
あたしを真剣な顔で見る由紀。


何?

まさかアドバイスでもくれるの?


「由紀あんたってやっぱり」

あたしの友達だよ!!

そう言おうとしたあたしに


「サラダ食べないなら私に頂戴」


・・・・・
返って来たのは全く関係ない言葉。


「もう!!!由紀のバカ!!!」