雄一は、猫や犬、
ライオンやゾウまで、
次々と、彫刻を手のひらにのせ、
それぞれ子供達の
元へと空を走らせました。
「あっ、これ動くかなー?」
それは、雄一の
彫ったトラの彫刻、
おじいさんより
出来が遥かに落ち、
動き出すか不安になっていました。
恐る恐る手のひらに乗せると、
雄一は唱えました。
”さあ、飛べっ、飛んで行けっ、
子供達を喜ばせてやるんだっ”
おじいさんの彫刻のように
スムーズとはいかずとも、
体を重そうとしながら、
少しずつ動き出し、
やがて、生き生きと
飛び出して行きました。
「お前さんも、
一人前のサンタだな、
彫刻の腕もな。」
夜中の一時過ぎ、
全ての彫刻を配り終えました。
公園に着き、
雄一がソリから降りると、
「ここでお別れじゃ、
来年に備えて、
また別の町に行って、
彫刻を彫らんとな。」
その言葉に、
雄一は寂しさを
隠せませんでした。
「えっ、また俺も手伝うよ。」
「いいや、おまえさんは
もう十分一人前じゃ、
わしがいなくてもやっていける、
自分の道を行きなされ。
おまえさんと
出会えて楽しかったぞい。」
「俺のほうこそ、
彫刻を教えてもらったり、
不思議な、凄い体験を
させてもらったり、ありがとう。」
おじいさんは、
ポケットから彫刻を出しました。
ライオンやゾウまで、
次々と、彫刻を手のひらにのせ、
それぞれ子供達の
元へと空を走らせました。
「あっ、これ動くかなー?」
それは、雄一の
彫ったトラの彫刻、
おじいさんより
出来が遥かに落ち、
動き出すか不安になっていました。
恐る恐る手のひらに乗せると、
雄一は唱えました。
”さあ、飛べっ、飛んで行けっ、
子供達を喜ばせてやるんだっ”
おじいさんの彫刻のように
スムーズとはいかずとも、
体を重そうとしながら、
少しずつ動き出し、
やがて、生き生きと
飛び出して行きました。
「お前さんも、
一人前のサンタだな、
彫刻の腕もな。」
夜中の一時過ぎ、
全ての彫刻を配り終えました。
公園に着き、
雄一がソリから降りると、
「ここでお別れじゃ、
来年に備えて、
また別の町に行って、
彫刻を彫らんとな。」
その言葉に、
雄一は寂しさを
隠せませんでした。
「えっ、また俺も手伝うよ。」
「いいや、おまえさんは
もう十分一人前じゃ、
わしがいなくてもやっていける、
自分の道を行きなされ。
おまえさんと
出会えて楽しかったぞい。」
「俺のほうこそ、
彫刻を教えてもらったり、
不思議な、凄い体験を
させてもらったり、ありがとう。」
おじいさんは、
ポケットから彫刻を出しました。


