「もちろんこうするに決まってますわ!!!」
ビュッと何かが風を切り裂りグシャァと何が壊れる音が耳を打つ。
とりあえず生・・・じゃなくてとりあえず現状を整理しよう。
コンクリの壁に辞書が深くめり込んでる、ガンマンの装甲と同材質の堅牢な戦車の表面装甲に風穴が空いてる、そしてお嬢言葉。
プリシッラだ!蝶のごとく舞い杭のごとく衝く脚技を駆使し、阿修羅をも討ち滅ぼすと言われる白銀の女帝でオレの妹その1のプリシッラだ!ヤツがきたんだ!!!
ルビーのような透き通った紅い眼に破壊衝動を湛えた妹は鬼気を纏いニューヨーカー野郎に迫る。そして後退りするニューヨーカー野郎は
シュルルル・・・パシィ
ロープに足を取られ逆さ吊りになった。
あぁ、ちゆりか。
「トラップの突破成功率はかなり高めなのに簡単にかかってくれるのは嬉しいことかもね。さぁ姉さん。審判をしましょう。」
ちゆりのヤツも澄んだ紅い眼に殺意を湛えてやがるぜ(恐)そりゃコイツら相手に下着ドロしちゃあ命を放棄するのと同義だよなあ。南無阿弥陀仏。




逆さのミノムシ状態なニューヨーカー野郎にプリシッラのキックのラッシュが迫る。だが顔は狙ってない。顔は狙うと後が面倒なんて陰湿なイジメかよ?つかアイツ大丈夫なのか?いくら元死神のお偉いさんなアイツでもさすがにこれ以上はヤバそうなんだが・・・(汗)忘れたのか?お前のドンだったあの明太子もプリシッラのキックのラッシュで生死の境をさまよったんだぜ?




「ふぅ、今日はこれくらいにしてあげますわ。兄様!」
ビクッ
「な、なんだ?プリシッラ?」
「何腰抜かしてますの?兄様らしくありませんわ。それよりこのボロ雑巾片付けて下さる?目障りでなりませんわ。」
ボロ雑巾と指差した先にはニューヨーカー野郎がいた。まぁ逮捕しろっツーことだよな。
「ついでに兄様。ゲヴェールを無罪放免にして下さらない?一応真犯人逮捕に協力して下さいましたし。」
それもそうだ。それにガキのイタズラを一々片付けるほどヒマじゃねぇし。




「フフフ・・・まさかここまでやってくれるとはねぇ・・・。いいダミーになってくれたよ。」