「陽向のバカ」

「うるせえよ」

「意気地なし」

「うるせえ」

「抱いてよ」

「駄目」

「ケチ」

「……ごめん」

陽向の声が小さくなった

抱いてよ

後悔なんてしないのに…陽向となら、絶対に後悔なんてしない

あたしを大切に思ってくれている陽向だからこそ、抱いて欲しい

愛してるって、身体で証明して欲しいのに

ズルいよ

好きだから、抱けないなんて…そんな感情、あたしは知らないよ

「ごめんな」

陽向の悲しげな声が、暗闇に響いた








『ヤバいくらいに溺れてる』
         終わり