毎日、同じような繰り返しの日々……






仕事も、私生活も、平凡な毎日を送っていた洋誠は、刺激を求めていた。








「はぁ……今日もやっと仕事が終わったか……」







会社の事務所でタイムカードを押して、今日数回目の溜め息をつきながら、洋誠が呟いた。








「お疲れ、石崎。どうだ?この後軽く一杯」








「すいません、ちょっと予定がありまして……」






先輩からの誘いを断って、同僚にお先と挨拶を告げて、会社を後にした。








代わり映えのない日常。


もちろん、予定など何も無かった。






洋誠にとって、会社の仲間と飲みに行く事は苦痛でしかなかった。








最近では、一番心を許している中学時代の仲間とあまり会えていなかった事が、洋誠の心を沈ませている一番の理由だったのかもしれない……







「本日OPENの居酒屋でーす!宜しくお願いしまーす!」







会社から駅までの道程、ビラ配りやティッシュ配りの人達の側をわざと通っていた。








何か面白い事が見つかるんじゃないかと、渡される物は全て手にしていた。








「……どうぞ……」








黒いスーツに身を包んだ男性から、伏せ目がちにそう言って手渡されたのは、駅前で配っている物としては珍しい一枚のハガキだった。……







「なんでハガキなんか配ってんだ?……」








疑問に思って振り返ってみたが、既に先程のスーツの男の姿は無かった。






もう一度、ハガキに目を通す……








文の頭に……

―石崎 洋誠様―

と書かれていた。……








一番下には……








―HUNTER実行委員会―







そう印されていた。…………