その晩はひたすら
ダンボールの山を整理した。



夜9時、風呂も入ったし
飯も食って親父と母さんは
いつものように
テレビにくぎづけ。



時間だ。
俺はバスケ部だからランニングは日課なのだ。
昼間、
道をリサーチしてある。



マンションの周りにちゃんと整備されたランニングコースがあったから捜すまでも無かったのだが…






「走ってくるわー」


軽く声をかけて外に出た。


まっすぐな道の横には広大な海。

海の匂いと波の音が
不安を掻き消していく。


大阪には海がないから
すげえ新鮮な気持ちだった。