ツギハギの恋

カラオケから帰る頃、辺りはすっかり薄暗くなっていた。

たぶんお姉ちゃんと同じ時間帯に家に着く。


そう思って帰宅するとすでに玄関にお姉ちゃんのパンプスがあった。


お姉ちゃん先に帰ってるし……

つーか、ひなたは?


あたしは静かにドアを閉めて恐る恐るリビングに近付いた。
リビングのドアは閉まっているものの二人の声が聞こえる。



「痛いわ。もっと優しくして……」

「こう?」

「そう、丁寧にして……」

「うん、気持ちいい?」

「あ……そこ」

「ふーん。お姉ちゃんここ気持ちいいんだ?」



二人の会話に一瞬でめまいがした。

なんで……

愕然としたのと同時に怒りが込み上げる。


信じられない……

なんでそんなこと出来るわけ……



ドアを開けたくなかったがあたしは現実を受け止める為にゆっくりドアノブを握りしめた。



「あんたら何してんの!?信じらんない!」


そう半泣きで叫びながらドアを開けた。