ツギハギの恋

いつも行っているカラオケボックスに行きとりあえず2時間だけ付き合うことにした。

部屋に入るなりレミもユリも次々に曲を入れていく。

あたしは曲を選ぶよりひなたが気になっていた。

散歩に行くつもりだったのに……待ってたらちょっと可哀相かも。


「ゴメンあたしトイレ」


あたしはトイレに行くふりをして家に電話をかけてみることにした。

ディスプレーにあたしの名前が出たらひなたも電話に出るかもしれない。


個室に入って用もないのに便座に座ると携帯から電話をかけた。
発信音が何コールかして予想通りひなたが電話に出た。



「モシモーシ?ミリちゃんなにー」

「やっぱ出た!あんた普通の電話にも出たりしてないでしょうね?」

「普通って何?セールスとかの電話なら出て断ったよ?」

「出てんのかよ!」

「なにー?何かあったの?」


あたしは帰りがいつもより遅くなることを告げた。


「散歩行くつもりだっんだけど……ゴメン」

「んーいいよ。気にしないで楽しんでー」


意外にあっさりと了解したひなたに拍子抜けした。

なるべく早く帰ろう……


お姉ちゃんよりも早く帰りたい。