ツギハギの恋

エレベーター。
無言のせいか何だか7階までが長く感じる。

あたしはさっきのひなたの言葉のせいでソレを意識してドキドキした。

エロいことになったらヤッちゃいそうな自分が怖い。



「ここ……家です」

マンションの部屋の前に着くと濡れた鞄から鍵を出して開けた。


濡れた状態で靴を脱いで中に入り振り返ると、ひなたは玄関で立ち止まっていた。


「先輩?」

「濡れちゃってるけどそのまま入っていいの?俺、タオル拭いてから上がる?」

「あー大丈夫。気にせず上がってください。あたしの部屋……」
「右だよね」


え?


ひなたはおじゃましますと言うと靴を脱いであたしの部屋のドアを開けた。


コイツあたしの部屋……覚えてた?


無意識なのかひなたはあたしの部屋のドアを尋ねることなく開けた。

あたしはそれを目の当たりにして胸が震えた。


「……タオル……持ってきます」

「ん、ありがとう」



洗面所にタオルを取りに行くと深呼吸をした。


色んな意味でドキドキがおさまらない。


濡れた体が冷たい……。