ツギハギの恋

ひなたの顔が見れないままあたしは俯く。

昨日、ひなたに送ったメールの内容……。

うろ覚えながら直接口にした。


「あたし夢前先輩の記憶を取り戻す手伝いがしたいです……駄目ですか？」



ドキドキしながら答えを待つ。

とにかくひなたと関わりたかった。


ひなたは少し黙るとあたしの頭にポンと手を乗せた。

胸がキュンとして目が潤む。




「いいよ……。ありがとうヒデ」

「中田だけどな！ヒデじゃねーわ！」



飽きてなかった……。

被せてきやがった。


今、目の前にいるのは夢前先輩なのに普通にひなたとして突っ込んでしまう。



「俺ってＭなのかな？」

「え？」

「中田さんに罵られるとなんか嬉しいんだよね」

「ドＭですよ」

「んー何だろ……心地いい」



確かに何だか懐かしいノリだ。

ひなたがボケてあたしが突っ込む。


「ねぇ……俺と中田さんってコンビ組んでた？」

「違います。ないです」



駄目だ……。

ひなたが記憶を思い出すように早く何とかしないと……。