アレって何だ?

おばあちゃんボケてんの?

この人ひなたと関係ないの??



あたしがポカンとしていると老婆はあたしの心を透視したかのように答えた。


「お前、犬にはもう会っただろ」

「……やっぱり」


この人ひなたと関係ある。

聞きたいことがたくさんあるはずなのに何から言えばいいのか頭が混乱する。

黙っていると老婆から口を開いた。



「お前は記憶のないアレを手駒にせんかった。なので合格だ。私欲の為ならばアレの無くした記憶を話していただろう」

「合格?……何それ。おばあさんはひなたの何?」

「……この姿ではわからんか」


老婆は懐に挟んでいた扇子を取り、顔を隠すように広げた。

そして扇子を下げた次の瞬間、あたしは驚きおののいた。

着物に映えるドール顔のロリ美少女……。



「ゴスロリ……」


「そう怖れずとも良い」


「……あんた神様なの?」

「否定はせんな。だが儂は巫女だ」



不敵に笑うゴスロリちゃんにあたしは固まる。


老婆=ゴスロリちゃん。


神様≠巫女?


あたしには何が何だかわからない。