ベッドの中で驚愕しているとあたしの頭にひなたの手がポンと乗った。


「だってさミリちゃん……黙って聞いてないで起きたら?起きてんでしょ」



は!?
何振ってんだアホ犬!


ギュッと目をつぶったままあたしは寝たふりを決め込む。


「ほらーミリちゃん。ちゃんと起きて聞いたげなよ。寝たふりしても無かったことになんか出来ないよ」



ひなたの言葉に起きるしかない状況だと思いあたしは気まずい空気に目を開け起き上がった。

ユリも気まずそうにあたしから目を逸らす。


「……ユリ……今の話……本当なの?」


「名前……ユリじゃないんだ。正確にはユウリ。生まれた時、性別が判断できなかったから。どっちでもいいようにって……」


「そうなんだ……」


って、マジなのか!?


「あの……中三まで男だったって冗談でしょ?」


「どっちでもないよ……男でも女でもなかった」


ユリはゆっくり立ち上がりあたしをまっすぐ見た。


「今だって……男でも女でもない。見る?どっちだと思う?」


自嘲気味に笑うとユリは服を脱ごうとした。

「いい!見せなくていいから!!」


慌てて止めるとまたユリが静かに笑った。


「ごめんねミリ。気持ち悪いでしょ……」

「……そんなこと」


『ない』ってあたしには言いきれなかった。