ツギハギの恋

ひなたの鳴き声で一瞬、固まりかけた空気が緩んだ。
ナイスアホ犬。
今回のアホ犬は空気を読む。

あたしは話をそらしてユリの質問に答えなかった。

あの時、鏡ごしに合ったユリの目は怖いくらいマジだった。

ユリに双子の兄がいたとして恋愛対象になるかと言うのは遠回しに自分が恋愛対象になるか聞いているような気がした。


つーかユリ、マジであたしのこと好きなのか?

嘘だろオイ。


ユリの髪を巻き終わるとユリはニッコリ笑ってあたしに礼を言った。


嘘だよオイ……。
ユリ、色んな意味で怖いよ!


半信半疑のまま、その後あたしは普通を装うのに必死だった。