嫌な予感がする。

家が近づくにつれてあたしの足取りは重くなる。

ユリにはいったんドアの前で待っててもらおう。
ひなたを確認してから中に入れればいい……。


マンションに着いてエレベーターで家の階まであがる。
フロアを家に向かって歩いている時だった。

あたしとユリの目の前でいきなり家の玄関のドアが開いた。


って、嘘だろ!


「ミリちゃんお帰り〜」


玄関のドアを開けてひなたが出て来た。
めちゃくちゃ笑顔で……。

お前、出てくんなや!?


「……誰」

隣にいたユリはひなたを真っすぐに見たままあたしに呟く。
て、ガン見か。


「あれ?ミリちゃん友達?どーもー」

ひなたもユリに気づいて愛想を振り撒く。

オ・マ・エ・ヨ・ケ・イ・ナ・コ・ト・イ・ウ・ナ・ヨ!!

あたしは必死にひなたに殺気を飛ばした。