流れていく風景を眺めながらあたしはぼんやり思った。


愛が欲しい


あたしに忠実な男……


て、犬かよ。


駅に着き電車を降りて家までの道を歩く。
お姉ちゃんはもう仕事に行って家にいないだろう。


あたしは姉と二人暮らし。
こっちの高校に通う為にあたしは親元を離れ姉の住むマンションで暮らしている。

と言うのは表向きで、本当の事を言うと家の中に居場所がない。
父親に馴染めなかった。


お姉ちゃんはあたしをあまり干渉しないし楽。
あたしより冷めた女だ。


でも今回はさすがに怒られるだろう。

連絡も無しに外泊。

連絡くらいすればよかった。