下心と、青春と



教室から出ると、色んな人達が私を見ている。


その中に一香と千代吉くんも……。


「一香っ!」


私は、一香に助けを求めようとしたのに、一香はニコニコしながら


「もー梨太郎くんが本命なら早く言ってくれればよかったのに!いってらー!」


と言った。


勘違いにもほどがあるよ一香さん……。


「ねえ、名前は?」


「遊馬、柚葉です……」


「柚葉ね、オッケー」


は?何がオッケー?


私は屋上に連れて行かれ、入り口付近で止められた。


「ここで待ってて。すぐにまた迎えに来るから」


「は、はい」


今更嫌だとも言えず、仕方なく待つ。