特に用もなかったので、私は荷物をまとめて帰る準備をする。


窓の外を見てみると外は雨。


おやおや、困ったものだ。


いや、でも流石柚葉さん!


ちゃんと持ってるんですねー、折り畳み傘。


もう一度窓の外を見てみる。


「……ん?」


宇佐見くんが、カバンを傘かわりにして走っている。


「ダメだなー傘持ってないなんて」


その少し滑稽な姿を見て、クスッと笑ってしまった。


本人が見たら怒ったかもしれない。


でも、見てないんだからいいでしょ、うん。


「さてと、私も帰ろうかな」


教室を出て、昇降口に向かう。


途中で軽音楽部のうるさくて下手な歌がきこえたけど、きいてなかったことにしよう。


昇降口には、何故か生徒会長がいた。