下心と、青春と



まあ、二人のことだし、私は関わらない方がいいか。


「いや、本当に良かった」


「良かったって?」


「梨太郎のことだから、もしかしたら無理矢理アンタを付き合わせてるのかと疑った時もあったけどよ。アイツの弁当作って来るくらい仲がいいんなら安心だ」


「あ、あはは。そうだね」


剣之助くん、そのまま疑って欲しかったよ、うん。


「あ、やべ、次移動教室」


「本当だ!なんか時間経つの早いなあ」


「ほら、行くぞ」


「……え?」


「行かないのか?」


「いや、行くけど……」


すっくと立ち上がった剣之助くんは、私に手を差し伸べている。


えっと、何を望んでいるのか分からないのだけど。