担任が来たので、それで会話は終わったのだけれど、私のドキドキは終わっていなかった。
大きな手。
澄んだ瞳。
ちょっと無愛想だけれど、優しい言葉。
何より、私のことを友達って……。
……友達?
ああ、そっか。
そうだよね。剣之助くんにとって私は、そういう存在だよね。
『幼なじみの彼女』
別に、彼と付き合いたいとか、そういう気持ちがあったわけじゃないけど。
なんだか、少し悲しいかな。
彼にとっては初対面同然なわけだし、仕方ない。
こうやって話が出来るだけ、幸運だよね。私。
剣之助くんって、四天王の中でも一番かけにくいって話だし(三月 柚葉調べ)。
そう考えても、まだちょっと希望があるんじゃないかなって思ってる自分がいて。

