「あぁ、そうか。そんなことアイツが自分から言うわけないよな。悪い」
「いや、そんな、青野くんが謝るようなことじゃないよ」
「とにかく、アイツの面倒みてやってくれってことだ。よろしくな」
青野くんは私の頭をその大きな手でガシガシと撫でた。
あー、なんかあったかい。
「はい」
「あのよ、たまに敬語使うのやめろよな。タメだろ?」
「あ、ご、ごめん」
「そんな風にビビることはねえよ。アンタが梨太郎の彼女ってことだけで、もうオレの友達だっての」
「あ、青野くん……」
「青野くんなんてくすぐったい呼び方はなし。剣之助」
「剣之助、くん」
「よろしい」
また剣之助くんは、私の頭を撫でる。
は、恥ずかしい……。
周りの視線も痛い……。

