『・・・いつもと同じような感じですか。』 「ふん。被害者が一人でも出たらクビだとよ、」 『お気楽なものですね上は。』 「いつの時代も上は上さ。保身しか考えておらんのよ。」 『電源・・切っておきますね。』 「そうしておいてくれ。」 軽く頭を下げて現場にもどる部下。 警部は胸元にゴソゴソし、 コートのポケットから取り出した煙草に火を点け、 吐き出した白い煙の向こうに見える銀行を睨んだ。 「あいつの・・出番か・・」 助手席の窓から手を伸ばし 無線を取り出す警部。