『警部、本部から電話です。』
はい。と携帯を差し出す部下。
渡された警部は不機嫌だった。
「ふぅ・・」
空を見上げ深いため息をついて
受け取った携帯を顔に寄せる。
「・・はい私です。・・ええ・・はい、善処します。・・はい・・はい・・わかりました。」
見る見る険しくなる警部の顔、
適当な返事を繰り返しながら
近くのガードレールの上に足を乗せ
イライラと足を揺らす。
「・・はい、承知しております。・・申し訳ございませんが現場に戻りますので・・・はい・・・失礼します。」
ゆっくりと携帯を顔から離し
通話ボタンを乱暴に切り、
部下へと携帯を放り投げる。



