「あああたし!?」 「うん!!」 え、なに、え、え? これどうしたらいいの!? 「あのさ…」 綺麗な唇がそっと動く。 それだけなのに、なんだかさらに慌ててしまう。 胸の音が、うるさい。 「し、失礼しますっ!!」 「え、ちょ…っ」 相手の言葉も聞かないまま、その場を走り去った。 戸惑う莉奈がその人に軽く礼をして、私のあとを追う。 すっかり私に忘れられた鞄も拾ってくれたみたい。 ていうか、なんなの…っ!! 初対面で、いきなり付き合って・とか… 「意味わかんないー!!!」