「未優…」 なんて声をかけてやればいい? 唇は動くけど、何かでせき止められたように言葉が出てこない。 「…未優ね、本当だよ?」 「…え?」 「お姉ちゃんが死んで、 嬉しいってのも…嘘じゃないの」 真っ直ぐな瞳で訴える。 そしてまた言葉を続けた。 「でもね? それよりも…悲しかった…っ」 未優の瞳にはもう偽りなんて無い。 零れ落ちる涙が、嘘で固められた姿を洗い流していくみたいだった。