●Side桐谷直




カチカチカチ…

時計が規則的なリズムを刻む。


カッカッカカッ…

黒板の上で踊るチョーク。



2つの音が重なり合い、絶妙なハーモニーを奏でる。

いつしかそれは子守唄に変わり、夢の世界へと誘う。



別に抗うでもなく、瞳を閉じた。









パコォーンッ







「痛っ…んにすんだよ!!…あ」




気持ちのいい音とそれに似合わない鈍い痛みが、俺を現実へと引きずり込む。