先輩は。 神保慧は。 先輩はいつも笑ってて、明るくて、太陽みたいだった。 でもいつだって晴れているわけではなくて。 本当は。 押し寄せる雲に怯えて。 不安に押しつぶされそうな弱さを抱いていた。 唇噛み締めて、必死に涙を堪えていたの。 哀しい太陽は青い空には似合わないから。 そんな強い人。 先輩の涙に、苦しみに触れるたび、弱さをを感じた。 本当の強さを知った。 だから、あたしは笑わない。 弱さを笑ったりなんかしない。 神保慧は、先輩は誰よりも弱くて。 誰よりも強い人だから。