葬式では啜り泣く声が部屋を埋めていた。
若すぎる死に誰もが悔しさを露にする。
出席した先輩は涙を抑えられなかった。
信じられない、どうして?としか言えずに。
白と黒のその部屋に直が姿を現す。
深く真優さんの両親に頭を下げる。
そして白い化粧を塗られ、
本当に事故なんてあったのだろうか、と疑うくらい美しい真優さんにも頭を下げる。
涙ひとつ見せない直に居ても経ってもいられなくなった先輩は直をひっぱり外へ出た。
『お前…どういうつもりや?』
黙ったまま自分を見つめる直に苛立つ先輩。
『おま…っ哀しくないんか?!
なんでそない平然と…っ
…なんとか言わんか!!』
『ぎゃーぎゃーうるせぇっつの。
落ち着けよ、バカじゃねぇの?』
やっと口を開いた直。
その声は信じられないほど冷たかった。
『なっ…』
先輩はムカついたとか、イラついたとかってよりも、直の瞳に驚いたらしい。
『直、お前…』
こいつは直ではない、そう感じたのだと。
『…俺がやったんだよ』
『え?』
『真優を殺したのは俺だ』


