「―…その通りや。」
見透かしたかのように言い放つ。
真っ直ぐな瞳がしっかりとあたしを捕らえる。
「真優は未優の姉。
俺と同い年やから、いっこ上な?」
「はぁ…」
「姉妹言うてもちょっと色々あって…。
まぁ、それは気にせんといて?」
気にするなと言うほど人間は気になってしまうもの。
心の中に何かがひっかかったようで居心地が悪い気がした。
でもあえて口にしないで黙って聞いていた。
「そもそも未優とは全然似てへんねん。
真優はすっんげぇ綺麗な女やった。
見た目も、中身も。」
「………」
「いつからか俺ら3人はつるんどってん。
喧嘩ばっかでも笑ろてて、俺らは一緒やった。
俺らの間に、醜いもん…嘘もお世辞も妬みも全部無かったんや。」
桐谷 直。
神保慧。
坂野真優。
3人の過去。
あたしの知らない直がそこにいる。
考えると寂しくなった。


