恋愛勝負 ~Love★Game~




「俺と直が前から知り合いやったちゅうことは分かっとるんやな?」






小さく頷いた。

先輩の隣に足を屈めて座り、優しいその声に耳を傾けた。










「ただの知り合いじゃなくて、かなり深い仲で…。

初めて会ったんは入学式。

いっこ上の俺が学校案内とかやってて。
その新入生の中にめっちゃくちゃ生意気な奴がおってな?…」






「あ!…それって、直?」




少し楽しそうに、懐かしそうに話す姿に思わず言葉が出てきた。

そうだというかのように先輩は笑ってみせた。








「生意気でムカつく!て思ってたんやけど、
なかなかオモロイ奴で…すぐに仲良うなった。」



「あー…そんな感じする」



「ほら、人ってドロドロしとるやろ?
表向きにお世辞言うて笑ったり、妬んだり。
俺の周りにもそうゆうんが数え切れんほどおって…。

せやけど直は違った。

思ったことそのまんま口にして、上とか下とか何も関係ないような感じやった。
まぁ…それでぶつかって喧嘩ばっかやったけどな?」






今と…おんなじだ。

ふと、そんなことを思った。