自分でもよく分からない矛盾を抱えながら歩いていく。 「ねぇ直聞いてる?!さっきから歩くの早いしさぁ~…ねぇ直ってば!!」 キーキー甲高い声をあげる未優。 猿かお前は。 そう、俺はわざと早く歩いてた。 早くこの時間が終わればいい。 そしたらすぐにでも奈緒のとこに行ってやれる。 とりあえず謝って。 あ、お菓子でも持ってくか? ってガキかよ… そんで抱きしめて。 嫌って言っても離してやんねぇ。 なんて、俺バカだよな。 この後に迫る光景を知りもしないで。