…見られた? あたしの瞳の先には直がいて。 その隣には、あの子がいた。 光の無い瞳をする直と、 妖しげな笑みを浮かべる未優ちゃん。 あたしの心が真っ黒に染まっていく。 「…何やってんの?」 冷たく響く低い声。 「これは…っ」 「見て分からん?自分でも分かってんのやろ?」 あたしの声を遮って先輩が言う。 本当のことだけど、そうだけど…っ 「ふーん、やっぱりキスしたんだ?」 「悪い?」 「…別に?」 いつも以上にどす黒い空気が漂う。 …やだよ、こんなの…