いつのまにか地面に揺れる2つの影が重なっていて。 1つになっていた。 夕日にあてられ、重なる唇は微かに熱を帯びている。 「…っ……」 熱くなって。 わかんなくて。 許してしまう自分が怖くなった。 本当はわかってる。 直じゃなきゃダメだって、わかってるのに。 直を思う度、未優ちゃんの笑顔が焼き付いて…直への気持ちを染めていく。 こわかった。 直が消えてくことが。 あの子に取られちゃうのが。 こわかったの…