「ナンパの基本その1。泣いてる女を狙え♪」 指を1本立てて大きな声で言う。 ってゆーか 「…泣いてないですけど?」 あたしがそう言うと、彼はまた笑った。 「なーんや自覚ないんか!ほんまに…アホやなぁ」 袖でごしごしと頬を擦られた。 その袖を見つめると少し濡れていて、あたしは泣いていたんだと知らされる。 彼は急にしゃがみこんで溜め息をもらした。 「慧、せん…ぱい…?」 しっかりと強い瞳があたしを映す。 「…まーた、直が絡んでるんやろ?」