「……っ」 直は一瞬だけ驚いたような顔をして、髪をくしゃっとかきあげた。 でもすぐに余裕顔になって営業スマイル。 「おっけ♪みんなで帰ろっか」 「やったぁ!!帰ろー!」 やだ。 自分でOKしたくせに… 楽しそうに笑う未優ちゃんを見るのが苦しかった。 心にもない笑顔をふりまく直を見てられなかった。 美男美女。 まるで絵にでもなってしまいそうなこの2人を見たくなかった… 「あ…あたし用事できちゃった!!ごめんねっ?」 精一杯の笑顔。 鞄をとって教室を飛び出した。